2020 人文ゼミ|活動主旨|D4|滝口正明
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はじめに
今年度より、建築史・建築論研究室において、建築への新たな視野を獲得する試みのひとつとして、「人文ゼミ」を企画します。課題書1冊を通読し(読書ゼミ)、関心のあるテーマを掘り下げる(グループワークゼミ)ことで、思想、文化現象全般に対する理解を深め、建築と建築の背景にあるものの相互関係について考察します。
今年度のテーマ 仏教とキリスト教(東洋と西洋の比較文化史)
メインテキスト 増谷文雄『仏教とキリスト教の比較研究』(筑摩叢書)1968 筑摩書房
スケジュール 5、6、7月に計9回開催。1ヶ月に3回実施。
実施概要
⑴ 前半 思想史ゼミ(読書ゼミ)
増谷文雄『仏教とキリスト教の比較研究』をメインテキストとし、世界各地に伝播する普遍宗教として、世界の思想の2大源流となった、仏教とキリスト教について、その思想的共通項と差異に着目しながら根本的な理解を深める。
メインテキスト1回2章を読む。各章1名、読書ノートを担当。
⑵ 後半 文化史ゼミ(グループワークゼミ)
前半の精神史的理解を踏まえながら、東西の文化史比較の視点を導入し、仏教とキリスト教が、それぞれ東洋と西洋において、第1の段階(文化的側面)として文学、美術、音楽、舞踊、民俗、政治などの面にどのような影響を与え、第2の段階(空間的側面)として、聖地の空間構成、聖堂の形式、都市村落および住居形式に、どのような関わりを生じているのかを考察する。
グループワークを行う6テーマ(①×3+②×3)を議論しながら決定する。各人①と②から1テーマずつ選び、全6テーマに分かれ、各テーマのグループ(3人)で議論しながら成果物を作成する。
① 1つ目のテーマは特に多様な文化現象とそのルーツと見なせる思想との歴史的相互関連に注目する。
テーマ:遊び(スポーツ、ボードゲームなど)、心霊(妖怪、亡霊の現れと知覚)、音楽(言語との関連、記譜法)
② 2つ目のテーマは特に空間現象と、思想・文化との関わりや、東西の比較文化的視点に注目する。
テーマ:大きなスケールから見た建築・都市、廃墟・墓、自然観と庭園